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つい最近、ジャーナリストの友人が、
白川静さんの漢字辞典から数点、漢字語源解説を送ってくれました。
例えば、翼という字には、守る、という意味があった。
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古代、というか神話時代、
人々 ( 神々か? ) は、どのような目的で字を作ったか。
後世の研究者は 一番大事な事を見落としているのではないかな、と想うことがある。
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… それは、
コミュニケーションそのもの、
伝達の意図や目的が、現代とは異なり、
神々と向き合うこと、
神事のみに集中していたのではないかな、
ということ。
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…. やがて、時代が下り、
人々は自分の考えを語り合うようになり、
様々なことが散らばっていく …
そして
世の中は 混乱が増えて行ったのではないか、
… とそのようなことを想像した。
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人々が、
何か異なる物事の中に、
本質を見いだすとき、
物事は 調和や平定や
安寧に向かう。
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… しかし、違うものばかりが目立つとき、物事は、バラバラでまとまりがつか無い。
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それは丁度、
今の世の中のようだ。
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ジャーナリストの友人は、
通奏低音についても、語ってくれた。
「表面には 見えないが、底辺にあり 、今も世界を支えているもの 」
それから、私の最新のテーマと言える、神話を意識した 制作の話になりました。
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「かおるさんの 作品には、これまでもずっと 神話が通奏低音として、流れていましたね」と。
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確かにそうですね。しかし、
それを今 、私は意識的に行うことにしました、と言いました。
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今まで 見えなかった聞こえなかった根本的な音、人間の自我意識と宇宙意識が繋がるときに 現れる音や形を意識的に 前に出して行くのです。
それが 人間の心の奥にある、本質的なチカラを引き出して行くからですね。
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ここ数年、私が抽象を始めとし、
絵画やビデオ制作の仕事の中で鍛錬してきた 、
意識の根本に分け入ることや
感情よりも手前にある、
心の運動のリズムや強弱や
様々な変化をそのまま 紙の上に置いて来た仕事から 、
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融合しつつも、遊離して、
空間に羽ばたくように、
画面に定着する、
あるいは、異なる素材、
立体などに置き変えてゆく。
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.. こんなことが、はっきりと
自分で自覚されるまで、
立体の仕事、彫刻をやらずにいた理由もようやくわかった。
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意識の波の重要性が、
また、明らかになる時代、
明らかにする時代が来たのかもしれない。
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そんなことを想った。
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