偏らない生き方
仏教には、中庸と言う精神が示されています。このことを今こそ理解していく時なのかもしれません。
資本主義、社会主義、共産主義、様々な主義と言うものがあります。そして日本は資本主義国家です。また世界には社会主義国家もあります。しかしそれでそれらの国々の人々、そして日本人も、私たちは、どのくらい幸せでしょうか?
1つの主義に偏ると、どうしても様々なところにしわ寄せが行きます 。
それはこの社会に様々な歪みを生み出す結果を作るのです。収入の格差、機会均等の格差、ジェンダーの格差、等々。それらはとどまるところを知らずますます増えていくばかりです。これはそもそも基準となるものの考え方が、ずれていることから起きていると言うことに、気づいている人が増えて来ています。
このたびの、コロナウィルスによって世界中がパニックとなったパンデミックで、今1番重大問題だとされているのが株の暴落です。それは特に資本主義国家においてダメージでしょう。
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しかしそもそも株とは何でしょうか?
お金、経済、金融とは何でしょうか?
それはどういった目的で生まれ、使われているのでしょうか?
それは本当に世界を幸せにするために考案され、利用されていると言えるのでしょうか?
仏教で言うところの中庸の精神と言うのは、資本主義のような、こうした1つの概念、主義に偏ることのない精神のあり方、普遍的とも言える哲学を指しています。
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中庸の精神を好きでも嫌いでもないこととか、よくも悪くもないこと、 曖昧なこと、白でも黒でもないこと、などと言うふうに理解していると、物事の本質を見る目を失います。
中庸の精神をひもとくと、この世界が計算によって作られようとしていることが見えてきます。先進国のあらゆるシステムは、コンピューターの二進法で計算され、作られていますが、中庸の精神と言うのはそうした計算を含めながらも、人の心の有機的な側面を汲んだものともいえます。
日々私たちの日常に起きてくる、いわゆる割り切れないことや、計算の手前にあることを捉えられる、高いレベルのインテリジェンス、研ぎ澄まされた感性によってしか識別、実行に結びつけられない、非常に高い精神的レベルを指しています。
中庸の精神、このように言葉の意味だけで理解することは到底不可能です。
けれども、世界には中庸の精神を保つリーダーがいます。そのひとり、かつてEU統合をリードしたジャック・ジャックアタリ氏は、最新インタビューの中でこのように述べています。
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『世界は今パンデミックに直面し、この世界を作ってきているシステムを見直し、新しいシステムを構築するために、今こそヒューマニティーに立ち戻り利他主義に目を向ける時だ。』と。
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あなたは利他主義をどのように捉えますか?
pandemicのあと、同じように生きたいですか?
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Artlosophy 感性教育研究 Founder
齋藤セシリアかおる
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画像引用 NHK ETV 特集
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2020106789SA000/?capid=nte001